筋トレやランニングなど、スポーツをする上では絶対に欠かせないアイテム「Tシャツ」。誰しも何枚かは家にあることでしょう。
しかし、もしもあなたが、本気で筋トレやランニングを始めたいと思っているのなら、Tシャツにもこだわりを持つべきです。
一般的な綿やウール素材のTシャツでは、運動時の快適性が大幅に下がり、集中力が散漫になってしまうからです。
そこで今回は、運動時でも快適さを維持できる、スポーツ用に開発された「ドライTシャツ」について、そのメリットとデメリットを紹介していきます。
ドライTシャツの特徴
吸汗性(吸水性)
運動時は、普段よりも多くの汗をかきます。その際、品質の悪いポリエステルなど、吸汗性の低い素材を使用したTシャツを着用していると、身体が汗でムレてくることでしょう。
ドライTシャツには、吸汗性を高めるためのテクノロジーが使用されており、運動時も快適な着心地をキープしてくれます。
速乾性
吸汗性と並んで重要なのが、速乾性です。綿の用に吸汗性の高いTシャツでも、乾くスピードが遅ければ次第にTシャツは汗を吸って重たくなります。
適正体重の人間は、1時間の軽いランニングで、約1リットルもの汗をかくと言われています。ドライTシャツはその名のとおり、速乾性が高い素材が使用されているため、汗をかいてもサッパリと着ることができます。
通気性
空気の流通の良さ、通気性もポイントです。通気性の低いTシャツは、外からの空気を取り込むことができず、Tシャツの中に新鮮な空気を循環させることができません。
また、身体から発せられた熱を外へ逃すことができないため、空気がこもり、汗ムレの原因となります。メッシュ構造が施されているドライTシャツは、通気性が高く、常に爽やかな空気を取り入れることができます。
ドライTシャツのメリット
悪臭の軽減
吸収性の低いTシャツを着ていると、汗ムレが発生します。皮脂と混ざりあい、ヌルヌルとした汗による汗ムレは、細菌繁殖の原因となり、放っておくと悪臭を引き起こします。
快適な体温調節
人間が汗をかくのは体温調節をするためです。運動をすると、筋肉の血流量が増加し、体温が高くなります。恒温動物である人間は、生命維持のため、体温を常に一定に維持することが必要です。そこで身体は汗をかきます。
皮膚の表面にたまった汗は、次第に蒸発し、その際に周りの熱を奪います。これは気化熱と呼ばれており、暑い日に水を地面に撒く「打ち水」と同じ機能があります。
ドライTシャツは、この汗のメカニズムをうまく活用しているため、暑い日は涼しく、寒い日は暖かく、どちらの気温でも快適に過ごすことができます。
暑い日の調整
汗をかきやすい夏場、快適に過ごすためには、いかに体表熱を効率よく発散させるかがポイントになります。吸収性が高いドライTシャツは、したたる汗を吸収し、気化熱として発散させることで、体温を下げることができます。
高校球児が、炎天下のマウンドでもインナーとしてアンダーシャツを着ているのも、この原理が理由です。
寒い日の調整
冬場は夏と逆で、いかに体温を外気に奪われず、熱を維持するかがポイントです。速乾性の低いTシャツの場合、汗を吸収したTシャツが乾かないと、発生する気化熱によって、体温がどんどん下がります。
濡れたTシャツのまま、運動を続けていると、体温を奪われ続け、低体温症になってしまう危険性もありますが、ドライTシャツは、吸収性は高いものの、速乾性に優れているため、汗冷えの心配がなく、暖かさをキープすることができます。
ドライTシャツのデメリット
メリットの多いドライTシャツですが、着る際には幾つか注意が必要な点もあります。
着ているうちに臭くなる
細菌の繁殖を抑え、悪臭を軽減してくれるドライTシャツですが、何回も着ているうちに次第にシャツ自体が臭くなるというデメリットがあります。
ドライTシャツが吸収した汗の中には、水分だけでなく、様々な成分が含まれています。速乾素材により、そこから水分は取り除かれるため、一見カラッと綺麗になったように見えますが、実はシャツには水分以外の成分がまだ残っているからです。
これを解決するするためには、ため込まずに、こまめに洗濯することが最重要です。また、洗濯機で洗濯する際は、服を裏返しにすると、よりニオイ汚れが落ちやすくなります。
どうしてもニオイが落ちない場合は、洗剤液に30分ほど浸すといいでしょう。
擦れに弱い
ドライTシャツには、「擦れ」に弱いという特徴もあります。洗濯機で洗う際は、洗濯ネットに入れて保護してあげることで、かなり軽減することができます。