筋トレ中のケガのほとんどは、ストレッチや、トレーニングフォームの習得によって避けることできます。
しかし中には、プロアスリートでも避けるのが難しいケガが存在します。
その代表が「関節痛」です。
関節痛は、一度発症すると癖になることも多い、非常に厄介なケガです。
しかし、予防策を講じずに高重量トレーニングを続けた場合、ほとんどの人が発症します。
そこで今回は、関節痛になる原因と、予防する方法を紹介します。
今は痛みがなくても、筋トレを習慣にしている人は、後悔しないため、関節痛予防は必須です。
ぜひ参考にしてください。
※この記事は、無痛~軽度の人向けです。すでに関節痛が重度の方は、病院で治療し、医薬品を服用しましょう。
関節痛のメカニズム
関節は、骨と骨のつなぎ目のことで、人体には約350ヵ所あります。
私たちの身体が曲がるのは、関節があるおかげといえるでしょう。
関節痛には様々な原因がありますが、筋トレで発症しやすいのが「変形性関節症」です。
まずは、変形性関節症が発症するまでのメカニズムを見ていきます。
軟骨が摩耗
関節には、硬い骨同士が直接ぶつからないよう「関節軟骨」という軟骨細胞があります。
この関節軟骨がクッションの役割となり、筋トレ中の衝撃を吸収してくれています。
しかし、ダンベルやバーベルなど、高重量トレーニングによって関節軟骨に大きな負担がかかると、軟骨は傷つき、摩耗します。
骨や筋肉であれば、傷ついた部分は血管から運ばれる栄養によって、即座に修復されますが、関節軟骨には血管が通っていないため、傷ついた部分はすぐに修復されません。
軟骨が摩耗すると聞くと、すごく痛そうな印象がありますが、実はまだこの時点では痛みを感じません。
そのため、ほとんどの人は気が付かず、トレーニングを継続してしまいます。
この状態で、新たなトレーニングすると、車のタイヤがすり減っていくように、軟骨が摩耗していきます。
ちなみに、関節軟骨は老化によって摩耗のペースが速まります。
高齢のトレーニーは特に注意が必要です。
滑膜が炎症
関節への負担によって軟骨が摩耗していくと、削れた軟骨の破片が関節内に貯まります。
この軟骨の削りカスが、関節包の内側にある「滑膜」という膜の炎症を引き起こします。
これが俗にいう「関節炎(滑膜炎)」です。
この時点で、やっと関節に痛みを感じます。
炎症が起きた状態で更にトレーニングをすると、軟骨の破壊が加速度的に進行し、関節の隙間が狭くなることで、骨にも異常が出ます。
そのため、関節に痛みが出た場合は、直ちにトレーニングを中止しましょう。
水がたまる
滑膜は、血液から栄養を取り込むことで、関節内の潤滑油として働く「関節液」を作り出しています。
しかし、関節炎が発症すると、滑膜から多量の関節液が分泌されることになります。
これが「関節水症」という、水がたまった状態です。
増えすぎた水(関節液)は、放置すると症状が悪化するため、溜まった水を取り除く処置が必要です。
水を抜くためには、注射器による「関節穿刺」が必要なので、水がたまったら、必ず病院に行きましょう。
関節痛の予防方法
関節痛の予防には、「無理のないトレーニングメニュー」「トレーニング前のウォームアップ」「適切なトレーニングフォーム」が大前提です。
ここでは、これらを踏まえたうえで、更に関節を保護するための方法を3つ紹介します。
サポーターを使用
最も簡単な方法は、サポーターを使用することです。
サポーターは、すでに関節痛を患ってしまった人の、痛み軽減としてよく使用されていますが、実は予防にも大きな効果があります。
代表的なサポーターには、膝のニーラップ、肘のエルボースリーブ、手首のリストラップです。
サポーター選びの際は、健康用の商品ではなく、スポーツ用の商品を選ぶようにしましょう。
これにより、トレーニング中の可動域を制限することなく、関節を保護することができます。
おすすめのサポーター(膝)
GOLD’S GYM ニーラップ
世界一のスポーツジム「ゴールドジム」のニーラップです。
他メーカーの製品よりも弾力性があり、着圧が適度なため、トレーニング時の膝の動きが制限されません。
パフォーマンスを落とさずに関節を保護できます。
おすすめのサポーター(手首)
GOLD’S GYM トレーニンググローブ
こちらもゴールドジムの商品です。
正確には、トレーニンググローブにリストラップ機能が付いています。
人間工学に基づいたカーブ形状により、抜群のフィット感があります。
着脱は少し面倒ですが、マジックテープでガッチリ固定できるので、手首をしっかり保護してくれます。
おすすめのサポーター(肘)
ZAMST エルボースリーブ
医療メーカーの日本シグマックス株式会社が設立したスポーツブランド「ZAMST(ザムスト)」のエルボースリーブです。
元々は、テニスやゴルフ向けに作られた商品ですが、トレーニング時の着用もおすすめです。
膝や手首と比べると、筋トレでは比較的痛めにくい部位ですが、気になる人は装着してください。
キネシオテープを使用
筋肉に沿ってテーピングをする、キネシオテーピングです。
キネシオテープには、筋肉の過剰伸びを防ぐことで、ケガを防止する効果があります。
関節だけでなく、肉離れなどの予防にもなるため、サッカー、テニス、陸上など、プロアスリートが貼っているのを見たことがある人も多いでしょう。
サポーターとは異なり、貼り方などにコツが必要なため、貼る練習が必要です。
おすすめのキネシオテープ(本)
畑中式 魔法のテーピング
DVD付きのキネシオテープ教本です。
「畑中式」と銘打っていますが、内容はごくごく普通のテーピングです。
映像で貼り方を確認できるため、テーピング初心者には最もおすすめです。
おすすめのキネシオテープ
3M キネシオテープ
セロハンテープのパイオニア「3M」のキネシオテープです。
薄型綿布を使用しているため、装着感が良く、貼付中の違和感がほとんどありません。
超撥水処理がされているため、汗に強く、かぶれも発生しにくいです。
ジョイントサプリを飲む
ジョイントサプリは、関節を直接的に保護するのではなく、関節そのものを鍛える予防方法です。
関節のための栄養成分としては、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、MSM (メチルサルフォニルメタン)が特に重要です。
これらの成分は、食事から十分な量を摂取することが難しいため、トレーニーの必須サプリといえるでしょう。
おすすめのジョイントサプリ
DNS ジョイントスーパープレミアム
トップアスリートも愛用するDNSの関節痛サプリです。多量の4大成分に加え、関節軟骨に多く含まれるII型コラーゲンが160mg配合されています。1日分の粒数が18粒と多いですが、スポーツ用の関節痛サプリとしての完成度としてはNo.1です。
関節痛は、一度なってしまうと、トレーニングを何週間も休まなければいけない、やっかいなケガです。
最悪の場合、レジェンドボディビルダーのロニー・コールマンのように、人工関節を入れて車イス生活になるケースもあります。
できる限りの予防策を講じて、関節の負担を少しでも減らすことが必要です。
まずは、関節痛が軽いうちに、ジョイントサプリを飲んで、関節を強化しましょう。