キャスターボードは、スケートボードに似ている、地面を走る横乗りスポーツの一種です。
日本では、ブレイブボード、リップスティック、リップスター、ジェイボード、エスボードなど、様々な名称で販売されています。
数年前から、小学生の間で大流行しているので、公園などで遊んでいる姿を見かけたことがある人も多いでしょう。
最近では、その乗り心地の良さと、スノーボード、サーフィンなどの横乗りスポーツの練習に最適なことから、大人にも人気がでてきています。
今回は、そんなキャスターボードについて、分かりにくい種類の違いや、選び方のコツ、注意点などを紹介していきます。
キャスターボードとは
キャスターボードは、スケートボードの亜種の一つです。
4つの車輪で走行するスケートボードとは異なり、前後に分かれている2枚のデッキに車輪が1つずつ付いています。
Ripstik(リップスティック)
キャスターボードの人気を一気に高めたのが、サーフィンのターンテクニックの一つ「リッピング」に由来する「Ripstik(リップスティック)」です。
リップスティックの第1号は、元祖キャスターボード「エスボード」を改良し、2007年にアメリカで開発されました。開発したのは、カリフォルニア州セリトスに本社を構える、子ども向けスポーツ用品の販売会社「Razor USA社」です。
2000年に創業したRazor USA社は、「ジェイボード」を販売するJD Bugというブランドを持つJ.D.Corporationから資金援助を受けています。
リップスティックとブレイブボードの違い
現在、日本では2つの会社がリップスティックの公式HPを持っています。
一方は「ブレイブボード リップスティック」、もう一方は「リップスティック デラックス」という名前で販売しているため、購入者は少し戸惑うかもしれません。
日本国内で正式にリップスティックを販売しているのは次の2社です。
ビタミンiファクトリー社
東京都渋谷区に本社を構える、スポーツ商品の輸入、販売を行う会社です。2008年にRazor USA社と契約を結び、リップスティックの日本正規代理店となりました。
「転んでも負けない強い子が増えるように」という創業者の願いから、日本名「ブレイブボード(BRAVEBOARD)」と名付けて輸入販売しています。
つまり、ビタミンiファクトリー社が販売するリップスティック=ブレイブボードです。
商品自体は、海外で売られているリップスティックと全く同じです。
ラングスジャパン社
東京都世田谷区に本社を構える、スポーツトイの輸入、販売を行う会社です。
海外で売られているリップスティックに、高級パーツを付けてカスタマイズし、「リップスティック デラックス」という名前で販売している、日本正規代理店です。
そのため、ラングスジャパン社のリップスティックはブレイブボードではありません。
リップスティックとエスボードの違い
エスボード(Ess Board)
エスボードは、キャスターボードの元祖と言われているボードです。現在は廃版になっており、市販では売られていません。同名の商品がamazonなどで売られていますが、中国製の別物です。
値段はリップスティックの半額以下と格安ですが、品質は格段に落ちます。中には、使用後すぐに割れてしまう不良品もあるようです。
海賊や龍のデザインがあったり、ホイールが光ったりと、子どもが喜ぶ要素はたくさんありますが、長く遊びたい人には、あまり購入をおすすめできません。
リップスティックとジェイボード(Jボード)の違い
ジェイボード(J Board)
ジェイボードは、Razor USA社の親会社とも言える「J.D. Corporation」が販売しているキャスターボードです。日本では、大阪に本社を持つジェイディジャパン株式会社が販売しています。
EXという上位版、PIAOO(ピャオ)という廉価版など、豊富なシリーズがあり、どれもかなり安い価格設定です。しかし、品質や乗り心地の快適さはリップスティックよりもかなり劣ります。
ちなみに、小学生の間では、リップスティックをはじめとする、キャスターボードをまとめて「ジェイボード」「Jボー」と呼ぶことが多いそうです。
しかしこれは、任天堂の「ファミコン(ファミリーコンピュータ)」が、家庭用テレビゲーム機の総称として呼ばれていたり、クロネコヤマトの「宅急便」が、宅配サービスの総称として呼ばれているのと同じで、言葉の誤用です。
RipStik(リップスティック)の種類
ブレイブボード Ripstik
本体重量:3.1kg
耐荷重:99kg
サイズ:860 × 225 × 123 mm
カラー:3色(シルバー、赤、青)
最もベーシックなスタンダードモデルのリップスティックです。他のシリーズよりも重量は重いですが、その分安定感があり、横乗り系スポーツに慣れていない人でも安心して乗ることができます。
初心者の導入には一番おすすめのモデルです。
ブレイブボード Ripstik Bright
本体重量:3.1kg
耐荷重:99kg
サイズ:860 × 225 × 123 mm
カラー:3色(ブルーピンク、レッドブルー、ティールオレンジ)
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ブライトの名の通り、デッキの外側まで彩色されたビビッドカラーが目を引くリップスティックです。性能はスタンダードモデルのリップスティックと全く同じです。
個性派のボードで遊びたい人におすすめです。
ブレイブボード Ripstik G
本体重量:3.1kg
耐荷重:99kg
サイズ:860 × 225 × 123 mm
カラー:1色(ブラック)
「G」はカーブやレールにトラックをあて、その上を滑るスケボーのトリック「グラインド」に由来します。スタンダードモデルとの違いは、大きく2つあります。
センターパイプ(トーションバー)
1つめは、センターパイプの違いです。「G」のセンターパイプは、ひときわ目立つゴールドで作られています。素材には、グラインドがスムーズにできるよう、軽量で剛性の高いアルミニウムが使われています。
内部剛性
2つめが内部剛性の違いです。ハードなアクションに耐えるためバネ剛性が強化されており、スタンダードモデルよりもダイナミックな動きが可能となっています。
2台目のボードが欲しい人や、将来的にトリックを楽しみたい人、スノーボードやサーフィンの練習をしたい人におすすめの、アメリカで人気No.1モデルです。
ブレイブボード Ripstik air
本体重量:2.4kg
耐荷重:99kg
サイズ:813 x 216 x 114mm
カラー:2色(カーボンブルー、カーボンブラック)
エアーはコンパクト化することによって、スタンダードモデルよりも0.7kg軽くなった軽量化モデルです。従来のキャスターボードとは違い、前後のデッキが繋がっている1ボード設計が特徴です。
スペースシャトルにも使われている高密度繊維素材技術が採用されているデッキは、体重を乗せるとしなやかに曲がり、サーフィンやスノーボードに似たライディングが楽しめます。
持ち運びが軽さを重視する人や、筋力の弱い女性におすすめです。
ブレイブボード Ripstik Neo
本体重量:2.5kg
耐荷重:99kg(180cm以下推奨)
サイズ:780 × 225 × 125 mm
カラー:5色 (ファイヤーレッド、ブルースター、フジ、デジカモブラック、デジカモピンク)
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リップスティックの最新機種にあたるネオは、「リップスティック」と子ども向けの「リップスター」の中間にあたるサイズの日本専用モデルです。
全長は短いものの、デッキの広さはリップスティックと同等のため、重量バランスに優れ、抜群の安定感があります。
初心者の方の導入や、親子で使い回せる1台が欲しい人におすすめです。
ブレイブボード Ripster
本体重量:2.0kg
耐荷重:80kg(130cm以下推奨)
サイズ:683 × 220 × 118 mm
カラー:6色(レッド、ブルー、シルバー、ピンク、ライトグリーン、ライトオレンジ)
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リップスターは子ども向けに作られたリップスティックです。リップスティックは大人専用ではないので、子どもでも問題なく遊ぶことは可能です。
しかし、持ち運びの軽さや小回りの滑らかさを考えると、小学校低学年のキッズにはリップスターがおすすめです。
ブレイブボード Ripster Bright
本体重量:2.0kg
耐荷重:80kg(130cm以下推奨)
サイズ:683 × 220 × 118 mm
カラー:3色(ブルーピンク、レッドブルー、ティールオレンジ)
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リップスターのカラーチェンジモデルです。子どもらしい活発なビタミンカラーが魅力です。
スタンダードモデルのリップスターと性能は全く同じですので、派手なカラーが欲しい人はこちらを選びましょう。
Ripstik dlx(デラックス)
本体重量:3.4kg
耐荷重:100kg
サイズ:863 × 229 × 127 mm
カラー:4色(レッド、ブルー、ブラック、ニュース)
ラングスジャパン社がカスタマイズした、高性能のリップスティックです。通常のリップスティックとの違い複数ありますが、大きく違うのは「ベアリング」「ダンパー」「センターパイプ」の3カ所です。
ベアリング
ベアリングは、摩擦を軽減する働きをし、ボードのスピードを左右する最重要パーツで、アメリカベアリング工業規格「ABEC」でその精度を表すことができます。
リップスティックには標準でABEC-5という高品質のベアリングが搭載されていますが、デラックスにはABEC-7という超高品質のベアリングが備え付けられています。
ダンパー
ダンパーは、ショックアブソーバーとも呼ばれる衝撃吸収材のことで、路面の小さな凸凹による振動を吸収することで、安定感とスピードを維持することができます。
通常のリップスティックには標準装備されていないオプションが、デラックスには初期装備されています。
センターパイプ(トーションバー)
2つのデッキをつなぐセンターパイプには、Ripstik Gと同じアルミニウムが採用されています。これにより、ハードなグラインドを楽しみたい上級者の人でも気兼ねなく遊ぶことができます。
初心者の方の導入や、ツルツル路面が近くにない人におすすめです。
Ripstik dlx mini(デラックスミニ)
本体重量:2.05kg
耐荷重:79kg
サイズ:680 × 220 × 120 mm
カラー:8色(レッド、ブルー、ブラック、サーキットオレンジ、サーキットネイビー、ナンバーブルー、ナンバーブラック、ピース)
デラックスの子ども向けモデルです。デラックスと同じく、通常のリップスターには搭載されていない機能が標準装備で付加され、大幅にアップグレードされています。
滑らかで上質な乗り心地を楽しみたいキッズにおすすめです。