定番の筋トレグッズ「ダンベル」。
自宅で本格的な筋トレをするためには、必須の筋トレグッズです。
そんなダンベルですが、購入時の選び方に、絶対に押さえなければいけないポイントがあります。
何も考えず、ホームセンターやスポーツショップで売られているダンベルを、気軽に購入すると、かなり高い確率で後悔することになるでしょう。
恥ずかしながら、私はこれまでの人生で、10セットものダンベルを買っています。
しかし、その中で現在も使っているのは、2セットだけです。
4セットは捨てるに捨てられずダンベルラックに放置、4セットは引っ越しの際、知人にあげました。
そこで今回は、私がダンベル購入時の失敗から学んだ、正しいダンベル選び方を紹介します。
これから自宅で筋トレをしていきたい筋トレ初心者の方は、ムダな買い物をしないためにも、是非参考にしてください。
正しいダンベルの選び方
3つのポイント
ダンベルを選ぶときに、押さえておきたいポイントは、次の2つです。
重さ:ダンベルの重量
種類:ダンベルの機能性
ダンベルを購入する前は、この2点をしっかりと確認する必要があります。
それぞれのポイントについて、これから詳しく解説していきます。
ダンベルの重さ
ダンベル選びの一つ目のポイントは、ダンベルの重さです。
必要なダンベルの重さより、重すぎても、軽すぎても、無駄な買い物になってしまいます。
ダンベルの重さの目安は、鍛えたい筋肉の部位や、自分が目指す体型によって変わります。
これを理論的に理解するためには、アメリカの神経生理学者、エルウッド・ヘンネマンが提唱した「サイズの原理」と「平均的な筋力」を知る必要があります。
少し専門的な話になるので、具体的なダンベルの重さだけを知りたい方は、飛ばして「おすすめのダンベル重量」から読んでください。
サイズの原理
筋肉を構成する筋線維には、速筋線維と遅筋線維があります。
速筋を支配する運動神経は、遅筋を支配する運動神経よりも、細胞体が大きく、支配する筋線維の数も多いため、サイズが大きいという特徴があります。
そのため、筋肥大や筋力アップを目指す場合、遅筋より速筋を優先的に鍛えなければいけません。
ヘンネマンが提唱したサイズの原理は、発揮する筋力が小さいと遅筋が使われ、筋力の増大とともに速筋が使われるようになる、という原理です。
つまり、速筋を鍛えるには重たい負荷、遅筋を鍛えるには軽い負荷が必要ということです。
目的に応じた重量は、多くの実証実験から、概ね次のように判明しています。
1RMは1回しか反復できない重さのことです。
1.筋肥大させず筋力を高める
1RMの90%以上
1~4回で限界がくる重さ
2.筋肥大させながら筋力を高める
1RMの80%前後
6~9回で限界がくる重さ
3.筋持久力だけ増す
1RMの60%以下
20回以上で限界がくる重さ
筋トレをする人の目的は、1か2のどちらかでしょう。
その場合、10回以内しか反復できない重さのダンベルを選ぶ必要があります。
平均的な筋力
ダンベルは腕だけでなく、胸や背中など、全身の筋肉を鍛えることができます。
しかし、小さい筋肉に合わせた重さのダンベルを選んでしまうと、大きい筋肉では重量が足りず、速筋を鍛えることができません。
そのため、ダンベルの重さの基準は「ダンベルベンチプレス」や「ダンベルレンジ」など、大きな筋肉を鍛えるトレーニングから考えるといいでしょう。
ダンベルベンチプレスとダンベルレンジにおける、1回反復できる重さの平均は次のとおりです。
下の表に体重がない方、女性の方は、参考リンクから平均値を確認できます。
ダンベルベンチプレス
体重 | 一般人の平均 | 筋トレ初心者 | 筋トレ中級者 | 筋トレ上級者 |
60kg | 13kg | 22kg | 34kg | 48kg |
65kg | 15kg | 24kg | 37kg | 52kg |
70kg | 17kg | 27kg | 40kg | 56kg |
75kg | 19kg | 29kg | 43kg | 59kg |
80kg | 20kg | 32kg | 46kg | 62kg |
ダンベルレンジ
体重 | 一般人の平均 | 筋トレ初心者 | 筋トレ中級者 | 筋トレ上級者 |
60kg | 13kg | 21kg | 33kg | 46kg |
65kg | 15kg | 24kg | 36kg | 50kg |
70kg | 16kg | 26kg | 38kg | 53kg |
75kg | 18kg | 28kg | 41kg | 57kg |
80kg | 20kg | 31kg | 44kg | 60kg |
おすすめのダンベル重量
上記の表を踏まえた上で、おすすめのダンベル重量は次のとおりです。
男性の場合
筋トレ初心者:片方20kg
筋トレ中級者:片方30kg
筋トレ上級者:片方40kg以上
女性の場合
筋トレ初心者:片方10kg
筋トレ中級者:片方20kg
筋トレ上級者:片方30kg以上
胸や脚など、大きな筋肉を問題なく鍛えるためには、はじめてダンベルを購入する方は、片方20kg以上を選ぶといいでしょう。
また、力持ちの基準の一つとして、バーベルベンチプレスを100kg挙げることができる、という考え方があります。
私の過去の記録を見たところ、バーベルベンチプレス100kgを挙げることができた時には、ダンベルベンチプレスで片方40kgを5回挙げていました。
そのため、バーベルベンチプレスで100kgを目指している人は、片方40kg以上のダンベルを選びましょう。
ダンベルの種類
一口にダンベルといっても、実は様々な種類があります。
1個数百円のカジュアルなものから、1個数万円の本格的なものまで、その種類は多岐にわたります。
ここでは、それぞれのダンベルの特徴、メリット・デメリットを紹介します。
また少し専門的な話になるので、おすすめのダンベルの種類を早く知りたい方は、飛ばして「自宅用におすすめの種類」から読んでください。
固定式(不可変式)ダンベル
ヘックスダンベル
ヘックスダンベルは、六角形という意味がある”hexagon”に由来するダンベルです。その名の通り、重りの部分が六角形になっており、床に置いたときに転がりにくく安定感があります。シャフトが外側に出ていないため、膝に置きやすいのが、個人的には最大のメリットです。ラバーコーティングがされている、床を傷つけにくい種類もあります。
鉄アレイ
“dumbbell”は直訳すると「口がきけない鐘」という意味があります。そこから漢字で「鉄唖鈴」と表されることになりました。(聾唖の「唖」)元々は、ダンベル全般を表す言葉でしたが、現在は、丸形の重りで、接地面が平らになっているダンベルのことを指すのが一般的です。ダンベルの種類が少なかった昔は人気だったようですが、高重量の商品が少ないこともあり、現在はあまり人気がありません。
ケトルベル
ケトルベルは、ヤカンという意味がある”kettle”に由来するダンベルです。ヤカンの取っ手のような部分を握って使用します。重心が手の中ではなく、下に離れた重り部分にあるため、通常のダンベルとは違った刺激を筋肉に与えることができます。その反面、ダンベルベンチプレスのような、定番のトレーニングには向いていないデメリットもあります。
可変式
ウォーターダンベル
中に水を入れることで、重さを調整できるダンベルです。製造コストが安いため、安価なものだと数百円で購入できます。最大のデメリットは正確な重さが分かないことです。トレーニング記録をつけることが難しく、水を満タンに入れないと、左右のダンベルで重さに差が出ることもあります。本格的な筋トレには向きません。
スピンロックダンベル
プレートをシャフトから取り外しできるダンベルです。バーベルと違ってシャフトがネジ状になっており、スクリュー式のカラーを締めてプレートを固定します。値段もお手頃なため、自宅用としては最も定番のダンベルです。プレートの素材に、アイアン、ラバー、クロームなど、豊富な選択肢がある点も魅力です。唯一にして最大のデメリットは、着脱が面倒くさい点でしょう。
パワーブロックダンベル
アメリカのPowerBlock社が発明した、ピンを抜き差しすることで重さを変更できる、ウェイトスタック式のダンベルです。最大のメリットは、圧倒的に早い着脱スピードです。慣れれば数秒で重量を変更できます。特殊な構造上、重心がグリップからズレた位置にあり、通常のダンベルとは使用感が少し違います。アメリカ人向けのダンベルなので、kgではなくlb表記になっています。
ダイヤル式ダンベル
ダイヤルを回すだけで、自動的に不要なプレートが台座に残る仕組みになっているダンベルです。アメリカのNautilus社のスポーツブランド「Bowflex」が発明したことから、ボウフレックスダンベルとも呼ばれます。パワーブロックダンベルよりも着脱しやすさい上、通常のダンベル形状のため、重心のズレもありません。値段が高いのが、最大の欠点です。
自宅用におすすめの種類
可変式ダンベル
自宅用におすすめのダンベルは、重さを変えられる可変式です。
前述のとおり、必要なダンベルの重さは鍛えたい筋肉の大きさによって変わります。
固定式ダンベルで全身を鍛えるためには、複数セットのダンベルを購入しなければいけません。
もちろん、自宅にスポーツジムのような大型ダンベルラックが置けるような環境がある人なら、着脱が不要な固定式ダンベルを1kg刻みで購入するのが理想的です。
しかし、自宅にそれだけのトレーニングスペースを設けることができる人は稀ですし、複数のダンベルを数十万円かけて購入するのも現実的ではありません。
そのため、自宅用ダンベルには、1セットで身体全身を鍛えることができる、可変式ダンベルがおすすめです。
ダイヤル式ダンベル
可変式ダンベルの中でも、おすすめはダイヤル式です。
私が現在、自宅でメインに使用しているのも、ダイヤル式ダンベルです。
何といっても、重さの変更が、他のダンベルとは比較にならないほどスムーズに行えます。
スピンロックダンベルは「カラーを4個外す」「プレートを4枚以上取る」「カラーを4個締める」という、最低でも3つの工程が必要ですが、ダイヤル式はただ回すだけです。
小学生の子どもにやらせても、2秒で希望の重量に変更できます。
同じく重量変更の速さが売りのパワーブロックとは違い、重心のズレや手首の可動域制限もないため、使用感もダンベルと全く同じです。
特にダイヤル式ダンベルが効力を発揮するのが、インターバルを出来る限り短くすることがポイントの、ドロップセット法、スーパーセット法、コンパウンドセット法を行うときです。
本来であれば、3セット以上のダンベルが必要なトレーニングテクニックを、1セットのダンベルで行うことができます。
値段が高い点がネックですが、一度使ったら、快適すぎてスピンロックダンベルには戻れません。
ドロップセット法
限界まで追い込んだ後、重量を下げてすぐに再開する筋トレ方法
スーパーセット法
拮抗する2種類の筋肉の種目を続けて行う筋トレ方法
コンパウンドセット法
同一筋肉を鍛える2種目を続けて行う筋トレ法
おすすめのダンベル
MOTIONSアジャスタブルダンベル
スタンダード(24kgセット)
価格:29,800円(税込)
高さ:22.5cm
奥行:21.0cm
幅:44.5cm
重量切替:15段階
2.5kg、3.5kg、4.5kg、5.5kg、6.5kg、8kg、9kg、10kg、11.5kg、13.5kg、16kg、18kg、20.5kg、22.5kg、24kg
プロ仕様(40kgセット)
価格:49,800円(税込)
高さ:25.5cm
奥行:24.0cm
幅:45.0cm
重量切替:17段階
5kg、7kg、9kg、11kg、13kg、15kg、18kg、20kg、22kg、25kg、27kg、29kg、32kg、34kg、36kg、38kg、40kg
注目のポイント
MOTIONSというブランドのダイヤル式ダンベルです。
最大の特徴は、高級なダイヤル式ダンベルでありながら、破格の安さで販売されている点です。
最も有名なダイヤル式ダンベルは、ボウフレックスのダンベルですが、こちらは24kgが片方で3万円以上、41kgが片方で4万円以上します。
MOTIONSの2個セット価格は、ボウフレックスの単品価格よりも安い価格設定です。
半額以下で購入できるにもかかわらず、機能性は24kgが15段階切替、40kgが17段階切替と、全く差がありません。
台座やシャフトのロゴ部分の作り込みなど、高級感に少し差はありますが、比べなければ気付かないレベルで、ダンベルの使用感は、ボウフレックスとほぼ同じです。
また、複雑な機構のダイヤル式ダンベルの場合、重さに1~2kgの誤差があるのが通常ですが、MOTIONSにはそれもありません。
体重計で実測したところ、誤差は100g以下でした。
MOTIONSダンベルの購入方法
MOTIONSアジャスタブルダンベルは、楽天市場でも販売しています。
しかし、楽天での価格はセットで5,000円高く設定されているため、購入はキャンペーンサイトからがおすすめです。
現在、先着300名限定ですが、トレーニンググローブがもらえます。
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